否定文で「and」や「both」の使い方に注意!

否定の単語の「no」「not」「never」を使った文章では、「どちらも」という意味で「and」や「both」を使うことはしません。

「I don’t like coffee and tea.」には明確な間違いがあります。
どこが間違いなのかわかりますか?

否定の単語の「no」「not」「never」を使った文章では、「どちらも」という意味で「and」や「both」を使うことはしません。

今回は日本人が使いがちな間違った使い方と正しい表現をお伝えします。

I don’t like coffee and tea.はどこが間違いなのか

「I don’t like coffee and tea.」や「I don’t like both of them.」という文章は、話し手の嫌いなものが曖昧になったり、混乱が生じたりするため、正しくない用法の例です。

「えー、日本人だったら曖昧になったり、混乱なんて起きないよ」と言いたいところでしょうが、これが日本語と英語の間にある、なかなか馴染めない言葉の感覚の違いなのです。

例文を見ながら詳しく見ていきましょう。

I don’t like coffee and tea.

I don’t like coffee and tea.

この文はネイティブにしてみれば、話し手がコーヒーと紅茶の組み合わせが嫌いだという意味に解釈するでしょう。
これは話し手の意図した意味ではないですね。
それぞれを個別に嫌うというよりは、両方が同時に存在したり飲んだりすることが嫌だと言っているように理解されることになります。

正しい文章は次のようになります。

I don’t like coffee or tea.
コーヒーも紅茶も好きではない。

これは話し手がコーヒーも紅茶も嫌いであるということをネイティブの人はきちんと理解します。
ですので、この文章は「or」があるからと言って、「私はコーヒーか、あるいは紅茶(のどちらか)が好きではありません」という意味ではありません。
この点を間違わないようにしてください。

「and」という単語を使うならば、次のように否定形の単語を入れないようにすることです。

I dislike both coffee and tea.
私はコーヒーも紅茶も嫌いです。

「dislike」は「嫌い」という意味で、「not like」(好きではない)という否定形ではありません。
ですので「and」を使うことができます。

それでは次のような文章はどうでしょう。

I don’t like both of them.

I don’t like both of them.

この文も、話し手が2つのアイテムの複合効果を嫌っていることを示していることになり、話し手が片方を嫌っているのか、両方を嫌っているのか、それとも2つの組み合わせを嫌っているのかがネイティブの人にとっては曖昧なままで、混乱する可能性があります。
この考えをより明確に表現するには、何が嫌いなのかを正確に特定することが必要です。

 正しい文章は次のようになります。

I don’t like either of them.
私はそれらのどちらも好きではない。

これは話し手が両方の品目を個別に好きではないことを明確に言っています。
eitherを形容詞として使う場合、肯定文や疑問文では、「どちらか一方の〜」「どちらの〜でも」という意味で使います。
否定文では「どちらも〜ない」という意味になります。

「both」を使う場合は否定文で使わないで、次のように言いましょう。

I dislike both of them.
私はその両方とも嫌いです。

これは話し手が各項目について両方とも「嫌い」だと言っているのです。

また、両方の品目が個別に嫌いであることを明確に言うことができる別の表現方法もあります。

I like neither of them.
私はどちらも好きではない。

これは、「neither」という英単語を使うことで表現できます。
「neither」は「どちらも~でない」という意味ですので「それらのどちらも好きではない」という意味になります。

ここで注意することは、個別の名詞(例えばコーヒーと紅茶)を出して言うときには、

I like neither coffee nor tea.

となります。

えっ、「or」じゃないの?と思った方はいませんか?

「neither」を使った場合は、「or」ではなく「nor」を使います。
反対に、

I don’t like coffee nor tea.

ということもありません。
この場合は必ず

I don’t like coffee or tea.

と表現します。
「nor」は 「neither」と連動して使う単語ですので、「not ~ nor」という形では使えないからです。

 

まとめ

日本人には感覚的に理解するのが難しいのですが、否定文の中で  「and 」や「both 」を使うことで、嫌いなものが個々の品目ではなく、その組み合わせがイヤであるかのように捉えられてしまうのです。
ですので聞いているネイティブの人は首を傾げてしまうでしょう。
しかし絶対にネイティブの人に理解してもらえないか、というとそうでもなく、もし

I don’t like coffee and tea.

と言った場合に、想像力のあるネイティブの人は

You mean you don’t like coffee or tea?
コーヒーも紅茶もどっちも好きじゃない、ということ?

と聞き返してくれるでしょう。

これらの使い方は、非ネイティブとネイティブの感覚的な違いがありますので、文章での説明ではなかなか理解が難しいですので、理屈を掘り下げるのではなく、使い方をしっかり理解してしまうことが大事です。

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