“Like”と “Love”は、どちらも何かや誰かに対する肯定的な感情を表すのに使われる言葉ですが、愛情の程度が異なる、といえます。
先日、youtubeでAGT(America’s Got Talent)というアメリカでは非常に人気のある番組で、黒人の少年たちが素晴らしいドラムスの演技を披露しました。
演奏後に4人のうちの3人の審査員たちは絶賛し、観客もスタンディングオベーションで拍手喝采でした。
最後の1人の審査員のサイモン・コーウェルは、
I didn’t like it.
私の好みじゃなかった。(likeという程度じゃなかった)
と言って、観客からブーイングを受けまくっていました。
そして彼は続けて言いました。
I absolutely loved it.
完全にはまった。(likeの程度じゃなく、loveという言葉を使いたいほどに好き)
と言って観客から大喝采を受けました。
サイモン・コーウェルは”like”では表現しきれない「好き度合」を”love”を使って表現したのです。
ネイティブの人は”Like”と “Love”の持つニュアンスの違いや、状況による使い方の違いを子供の頃から身に付けているので、しっかりと使い分けができる、ということでしょう。
この”Like”と “Love”の違いを日本語として正しくそのニュアンスを伝えるのは非常に難しいのですが、このニュアンスを含めて敢えて違いをお伝えしたいと思います。
“Like “と “Love”の違い
like
何かや誰かを好きになることは、その人に対して好意的な意見や感情を持っていることを意味します。Loveと比べると、よりカジュアルで、あまり激しくない感情で「好き」、「普通に好き」という意味になるでしょう。
例えば、特定の食べ物や趣味、テレビ番組などが好き(like)だと言うことがあります。
ここでその食べ物やテレビ番組がいつも気になってしょうがないほどに好きならば「love」を使うのが適しています。
love
「好き」という感情よりも強く深遠な感情を表現します。
誰かや何かに対する深い愛情、気遣い、愛着を意味します。
loveには、恋愛的なもの、家族的なもの、プラトニックなもの、そして物事について言えます。
多くの場合、献身、コミットメント、感情的なニュアンスが含まれるでしょう。
家族やパートナー、あるいはあなたが深いつながりを感じている何かを愛していると言うかもしれません。
「好き」の意味で「love」を使うのは女性的?
「好き」の意味で「love」を使うのは女性的な言い回し、と言われることがありますが、決してそのようなことはなく、男性が使ってもまったく問題ありませんし、普通に使っています。
「好き」を表現するのに 「love」を使うのは女性っぽいということではなく、個人の好みやコミュニケーションスタイルの問題だと認識することが大切です。
まとめ
Do you like it?
と聞かれたときに、
I like it.
と答える場合は
「あっ、好きだよ」と、あまり感情を出すことなく「好き」と言う意味になるでしょう。
I love it.
と答える場合は
日本語にするならば「ほんとうに好きすぎる」と、感情と共に言葉が出る「好き」という意味になるでしょう。
何かや誰かを好き(liking)になるということは、肯定的ではありますが、それほど強い感情ではないことを示唆している場合が多いでしょうし、好き(loving)になるということは、より強い感情的な結びつきや深い愛情を意味するといえるでしょう。
“Like”と “Love”のどちらを使うかは、あなたの感情の文脈や強さによって決まるといえるでしょう。