英語では無生物主語というものがあり、日本語に訳す時にちょっと面倒くさい使い方があります。
今回はこの「無生物主語」の解説です。
無生物主語とは何でしょう?
無生物主語って習った覚えあるけど、どんなものでしたっけ?
無生物主語とは、その名の通り生物ではないものが主語となっているものです。
無生物主語の対象はほとんどあらゆる「物・事」です。
つまり人間や動物以外のものと考えればよいと思います。
この無生物主語を使うととても便利に、そして長い文章を簡潔に言うことが可能になります。
無生物主語を使った例文
Your smile makes me happy.
あなたの笑顔を見ると私は幸せになります。
主語は “Your smile” で、これは生き物ではないので無生物主語です。
A ten-minute walk will take you there.
徒歩10分でそこに着きます。
これも “a ten-minute walk” が主語になります。
無生物主語の文章を日本語に訳す場合は直訳してしまうと非常に不自然な日本語になってしまいます。自然な日本語になるように訳しましょう。
無生物主語とセットで使われやすい動詞
無生物主語はそれと併せて使われやすい動詞というものがあります。
それらの動詞を覚えることは無生物主語を攻略する大きな手助けとなります。
では早速見ていきましょう。
make ~ にする
「作る」という意味で有名の “make” ですが、「~にする」という意味も非常に多く使われます。
このmakeの使い方を覚えれば英会話に不自由しないと言えるほどです。
「~にする」という意味で使われると主語には無生物が使われることが多いです。
His cold behavior made him many enemies.
彼の冷たい態度が多くの敵を作った。⇒ 彼は冷たい態度をとったので、多くの敵を作った。
take ~ つれて行く、持っていく
“take” は「持っていく、つれて行く」という意味がすぐ頭に浮かぶと思います。
Business took him to New York last week.
仕事で彼は先週ニューヨークに行った。
直訳すると「仕事が彼を先週ニューヨークに連れて行った」となりますが、いささか変な日本語ですね。
無生物主語を使用しない場合は
He went to New York last week because of business.
となり、使用する単語が増えます。
ネイティブの人は無生物主語を使うことで、なるべく単語を少なくすることを無意識にしているのです。
bring ~ つれて来る、持ってくる
bringの使い方をみてみましょう。
例えばネイティブの人に
Why did you come to Japan?
これは直球すぎる質問の仕方で、使うのは控えたほうがいいでしょう。
「なんであなたは日本に来たの?」みたいな感じに聞こえます。
その代わりに、
What brought you to Japan?
「何があなたを日本に連れてきましたか?」
日本語に直訳するとへんな感じですが、「日本に来られたきっかけは何ですか?」と訳すと自然な日本語になります。
この場合は “What” が主語になっていて、無生物主語になります。
このニュートラルな表現が丁寧な言い方に聞こえ、相手が若い人でも年配の人でも、どんな場合にでも使えます。
prevent、 remind
The fog prevented me from seeing very far.
霧のため、あまり遠くまでは見えなかった。
この文では、主語がthe fog「霧」になっています。
日本語の発想では、次のような文になりますよね。
I could not see very far because of the fog.
意味は同じですが、発想が異なります。
これこそが文化の違いなのです。これを理解することがまさに英語学習の一つの大きな意義です。
These pictures remind me of the good old days.
これらの写真を見ると、あの古き良き時代を思い出す。
この文の動詞remindも、しばしば「無生物主語構文」で使われる動詞です。
「~に思い出させる」という意味です。
このような無生物主語を使った文を訳すときは、動詞の “prevent” や “remind” の後にある人称語(人称名詞)を主語として考えると自然な日本語になる場合が多いです。
上記の文章で言えば、
「私は ~ 見えなかった」
「私は ~ 思い出す」
このように訳すと違和感のない日本語になります。
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